歯周組織再生療法
before
after
年齢 | 58歳 |
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性別 | 男性 |
治療内容 | 歯周組織再生療法 |
治療期間/回数 | 1回 |
費用 | 200,000円+消費税 |
注意点/デメリット | 手術前の口腔内清掃に数回かけ治療環境の改善が必要。また治療部位の術後の洗浄や経過観察が数回必要 |
歯周病は歯そのものがダメージを受けるのではなく、歯肉や歯槽骨などの歯周組織が破壊される病気です。一般的な治療では歯石の除去などを行って進行を止め、腫れや出血をなくすことはできますが、失った歯周組織が自然と戻ることはありません。近年発達している再生治療を利用すれば、歯槽骨などの失った組織を再生することが可能で、歯がぐらつくなどの不快な状態を改善することもできます。
歯周病が進行すると、歯槽骨や歯根膜などが破壊されますが、近年は歯周組織を再生させる治療方法が複数開発されています。当院でも中程度以上に進行した歯周病に対して、患者さんとしっかり相談したうえで、エムドゲイン療法などの再生治療を提供しています。ご要望があればお気軽にお尋ねください。
溶けた骨を再生させる「再生療法:エムドゲイン法」
歯周病になると、歯を支えていた骨が吸収されて、歯がぐらぐらになってきます。
エムドゲインゲルは、 スウェーデンのBIORA社が歯役割を果たの発生期に重要なすタンパク質に着眼して開発した歯科用医療薬剤です。
歯周炎の治療を目的とした歯周外科手術の際に、歯根面にエムドゲインゲルを塗布して用います。
患者さんの虫歯・歯周病・噛み合わせ・歯並び・歯ぎしりなどのお口の中の状態や生活習慣病などの全身的な状態に応じて、予防・治療を行っています。一口腔単位で、歯周病の治療を含めた包括的な歯科治療を行っています。一般的に、歯周病治療を行う中で歯石等が除去できない場合は、歯周外科手術を行うことがあります。歯周外科手術のうち歯周組織を再生させるための外科処置として、歯周組織再生誘導法(GTR法)と歯周組織再生剤リグロスとエムドゲイン®を応用した歯周組織再生療法を歯の状態によって選択して行っています。
歯周ポケットの深さ、垂直性の欠損などから適用を検討します。
麻酔後に、歯根部分が見えるまで歯肉を切開します。
・エムドゲインゲルの塗布部分の歯石や汚れを除去します。
血液や唾液が付いていない状態でエムドゲインを塗布します。
歯肉弁を元の位置に縫合します。
エムドゲインゲルパンフレットより(生化学工業)
歯周組織再生剤リグロスを用いた外科処置は、歯周外科手術の際に、歯周病に侵された歯根表面に細胞を増やす成長因子を主成分とした歯周組織再生医薬品を用いて、破壊された歯周組織の再生を図る治療法です。低襲襲な治療法ですが、すべての患者さんのケースにできるものではありません。また、悪性腫瘍がある患者さん又はその既往歴のある患者さん、リグロスの成分に対して過敏症の既往歴のある患者さんには使用できません。
科研製薬株式会社「リグロスを使用する歯周病治療を受ける患者さんへ」より抜粋
再生治療の効果を最大限に得るためには、治療前から治療後の継続したメンテナンスが重要です。
歯周組織にダメージを受けたもともとの原因は歯周病であり、これは再生治療を受けても日ごろのお口のメンテナンスが十分でなければ再発し、せっかく受けた治療も意味がなくなってしまいます。そのため、治療前から治療後もご自身による日常の口腔ケアおよび、歯科医療機関における定期的なメンテナンスを受けることが大切です。