重度の虫歯の治療法の選択
このような状況の歯でも「ひと手間」かけることで自分の歯を残し長持ちさせることができる可能性があります。
まずは①を見てみましょう。
この歯はひどい虫歯でしたが、レントゲン写真から歯根が長いことが確認されました。
このためエクストルージョン(歯を引っ張り出す治療)が適用可能でした。
大切な歯を残すための「エクストルージョン(歯根挺出)」
この処置の結果、十分な歯が歯ぐきの上にあることで、クラウン(冠)は、はずれたり、歯根が割れるたりするリスクを減らすことができ、長い期間安定して使っていけます。
次に②と③です。
②は虫歯が深いため歯根が割れてしまっていました。
③は虫歯が深く、歯根が短かったため残すことが不可能と診断されました。
しかし②も③も、不必要な親知らずの抜歯や矯正治療のために健康な歯の抜歯が必要とされていました。そこでそれらの抜歯した歯を虫歯でだめになった歯の部位に移植することが計画されました。
自分の歯を極力残したい「自家歯牙移植(じかしがいしょく)」
・移植治療の流れ
③のケースです。
最後に④です。
④も深い虫歯であり歯根も短い歯でした。このため抜歯が必要となりましたが、移植に使える歯がなかったためブリッジで歯を補うことになりました。下の前歯は噛むときにかかる力が小さいため歯を全く削らないでブリッジを入れる計画が立てられました。
接着ブリッジという方法です。しかも接着する歯は1本だけです。この理由は、両側の2本に接着させた場合、多くの場合で気づかないうちに片方の接着が外れてその隙間から虫歯ができることが懸念されるからです。
自分の歯を極力削らない方法によるブリッジ(接着ブリッジ)
すべてにできるわけではありませんが、噛む力がかかりにくい下の前歯や上の前歯の2番目の歯などに適用されます。